語る

備忘録

Bouquet(れにゃた)を語る。

f:id:tSuKi_bami:20200229144502p:plain

2017夏コミ(C92)で頒布されたCDについて語ります。

失礼ですが理解できる人が非常に限られる自信があります。

 

はじめに

自分は特にこの方のファンというわけではないので歌っている方について話すことは出来ません。この方が他にどんなCDを出しているのかも知りません。

じゃあなぜそんな自分がこのCDを知ることになったのかを初めに書きます。

 

コミックマーケットというものにはあまり良いイメージがない自分はコミケが何かよくわからないままC92に先輩の誘いで参加することになりました。

初めてのコミケコミケで買うものと言えば同人誌ですが正直そんなものはよくわからなかったので昔良く聴いていたボカロPが出展している音楽系のブースに行くことにしました。

そこでとりあえずニコニコ動画で「C92」のタグで投稿日時順に漁ってみることに。

そこで見つけたのが以下の動画です。

クロスフェードデモのタイトルコールからBメロサビと繋がる流れ、好きです。

なぜこの動画にたどり着いたのか、見ようと思ったのかは2年半前のことなので曖昧ですが確かにこの動画を見ました。

再生数も多いわけではないです。ですがこの動画の始まり1曲目、「ヒロイン」に惹かれてこのCDの購入を決めました。

 

f:id:tSuKi_bami:20200229150429j:plain
f:id:tSuKi_bami:20200229150432j:plain
f:id:tSuKi_bami:20200229150443j:plain
f:id:tSuKi_bami:20200229150617j:plain

10年ぶりくらいに東京に行くわけですがついでに沼津にも行きました。ラブライブの聖地らしいのですが自分はラブライブを見てないので普通の観光地として楽しみました。めちゃくちゃいいところでした。

f:id:tSuKi_bami:20200229150748j:plain

なんか見たことあるやつだ!となりました。田舎者なので。

音楽系のブースに行くと動画で見たCDがいくらかありました。当たり前ですが。

「Bouquet」のCDを頒布しているサークルでは恐らく歌っている方が売り子をしておられました。あまり覚えてないですが。

 

感想

 1.ヒロイン

まずは1曲目の「ヒロイン」。上の動画を見てから今までずっとこのCDの中ではこの曲が一番好きです。

簡単に言うと漫画の世界ならモブの私はヒロインのあの娘には勝てないんだよっていう話です。

 

子供の頃 漫画を読んで

思っていたなんでヒロインにばかり

特別なことが起きて 最後に

幸せになれるの?って

 

大きくなってわかった

彼女は誰より魅力があるから

スポットライトを引き寄せる力で

お話のヒロインになれる

1番Aメロではヒロインの定義がされます。曲名にもなっているので定義は大事です。

ヒロインというのは漫画の世界で特別なことが起きて最後に幸せになる存在。

幸せとはヒーローと結ばれること。特別なことは作品によりけりです。

なぜそのようなことができるのかというと魅力があるから。魅力というのは数値として見れるものではないですし人によって感じ方も違うので大小を比べることは出来ません。

つまりヒロインがヒロインになれるのは必然的なこと、もしヒロインになれないとしても仕方ないと割り切るしかありません。もちろん漫画の世界の話です。

 

彼と彼女が話してる姿は

とても見たくない とても敵わない

誰がどう見たってお似合いなんだ

 

”もしもここが漫画の世界なら

あの子がヒロインなんだろう”

だからわたしが愛するヒーローは

”ここが漫画の世界なら

わたしは脇役なんだろう”

どうやっても彼女に恋をする

Bメロからサビにかけての歌詞です。

ここで彼と彼女が話しているのは現実世界です。

わたしは彼のことが好きですが彼女には敵わないと思っています。

なぜなら漫画の世界ならわたしは脇役で彼女がヒロインだからです。

言うまでもないですがダブルクオーテーションに囲まれていない歌詞は繋げるとちゃんと文章になります。

 

離れた教室の彼が

「教科書貸して」と来てくれたの

嬉しい気持ちとはウラハラの

引きつった顔と「いいよ」の3文字

 

どうしてよりによって彼の前では

うまく話せない うまく笑えない

絶対話しにくいやつと思ってる・・・

 

”もしもここが漫画の世界なら

あの子がヒロインなんだろう”

だからわたしが愛するヒーローは

”叶いはしない恋してる

わたしは脇役なんだろう”

どうやってもこっちを見てくれない

2番の歌詞です。ここは全部現実の話です。

彼は教室が離れている私にわざわざ教科書を借りに来ているのでポジティブな感情を抱いてもいいはずなんですが漫画のヒロインに囚われているわたしはそんなことに気づきません。

どうやってもこっちを見てくれないとわたしは思っていますが彼からしてみるとそんなことはないのかもしれません。

 

わかってるよ・・・敵わないこと

キミが選ぶのがいつもあの子なら

わたしだってヒロインになりたい

 

ここが漫画の世界なら

わたしは脇役なんだろう

だからわたしが愛するヒーローは

 

”ここが現実世界なら

わたしもヒロインになれる?”

スポットライトが

なくたっていいんだね

強い気持ちがあるのなら

わたしもヒロインになれる!

もっとこっちを向いてよ

わたしの好きな人

Cメロからラスサビまでの流れです。

わたしは漫画のヒロインの考え方から脱却します。

ここは漫画の世界ではなく現実の世界。なのでスポットライトがなくてもわたしもヒロインになれます。

ここで必要とされているのは強い気持ち。これは持っているかどうかを自分で判断することが出来ます。

もっとこっちを向いてほしいという願望で終わったのでこの先の結末はわかりません。

曲としては漫画の世界ならという仮定の歌詞から一転して転調からの現実世界の話が始まることに美しさを感じます。

 

総括するとキュンキュンする歌なので好きです。1曲目の掴みとしても良いです。

以下は簡単に行きます。

 

 2.アネモネ

ヒロインとは一転して悲しい曲になります。

1曲目で上がったテンションを2曲目で落とす。その後徐々に上げていきラストを迎えるという構成です。

始まりがなければ 終わることもない

だとしたらこの先もその次も

変わらないままで 今のこのままで

それでいい それでいい それでいい

アネモネ花言葉は「儚い夢」だったり「薄れゆく希望」のようにネガティブな印象があります。アネモネには毒性もあります。

何かしらの始まりと終わりを知ってしまってそれを嘆く歌になっています。

 

次に会うときは 今より少しだけ

本当の私のすぐ傍で

変わらないままで 同じ笑顔で

伝えたい ひとつだけ 閉じ込めて

それでいい それでいい それでいい 

 ラスサビの歌詞です。イマイチ救われない言葉で終わります。

自分に言い聞かせるような「それでいい」に不気味さも感じます。

こういうドロドロした歌も好きです。

 

 3.夢見鳥

何故蝶々は薄れていく

消えゆくのか溶けるように

誰の想い胸に秘めて

来年またきっと此処で

まるで詩のような抽象的な歌詞です。難しい。

夢見鳥というのは蝶のことらしいです。

なので歌詞に出てくるのは鳥ではなく蝶です。

夢見鳥という言葉は中国の逸話、胡蝶の夢から来ています。

なので夢のように曖昧でふわふわした話になっています。

 

 4.ねこのはな

青空の下で花

今日もいっぱい開いた

目を丸くしてます

ねこのはな

すんすんと音たてます

咲くことを願います

ねこのはなについての歌です。ほんわかしています。

はなは鼻だったり花だったりします。

これだけはニコニコ動画にも動画が上がっています。

このあたりでアネモネのドロドロとした雰囲気を忘れることが出来ます。

 

 5.Iris

もし私とあなたを繋ぐもの

奪われてしまっても大丈夫

だって2人が残したことは

今も誰かに届いてるよ

前を向けば見守ってくれる

振り返れば励ましてくれる

虹がかかった日を忘れない

いつもそこにあるよ

私たちのメロディ

 

いつだって歌うよ

あなたへのメッセージ

私とあなたのこれまでとこれからをゆったりと歌う曲になっています。オシャレです。

このCDを頒布していたサークルの名前は「フラワーアイリス」、なので自分自身を歌っておられるのかも知れません。

アネモネやねこのはなにはタイトルが花ですし夢見鳥の歌詞には花が出てきます。

アイリスというのは菖蒲のことであり虹に語源があります。なのでこの歌にも虹というワードが入っています。

 

 6.夢見草

惰性だけで

いきるのは

だせぇ人生だと

気付いたら

見つめ直して 

つまらない

味のない日々には

別れを告げ

ひび割れてた

ココロにも

希望で

満たされて

慰めの

さくらが傍に

物言わぬ

桜の樹は語る

春と共に

 夢見草というのは桜のことです。

桜は品種によって様々な花言葉がありますがどれも高貴な印象があります。

なので前を向くラストになっているのかも知れません。

これも夢見鳥と同じで詩的な歌詞になっていて難しいです。

 

 7.優しい花

あなたの笑顔は 僕の笑顔となって

すべてを照らす光になる

誰よりも頑張るあなただから

誰よりも強くなれるでしょう

 

そして未来に輝く花が咲くよ 

花を優しいと形容するのは不自然なのでここでの花というのはあなたを比喩したものだと考えられます。 

全体の歌詞はわたしがあなたを励ますものになっていて包み込むような優しい歌声で進みます。

アネモネやIrisと違って弱いやしんみりとした歌声ではなく強く優しい歌声です。

誰かに向けて歌っているのはこの曲だけだと思います。

好きです。

 

 8.青の歌、僕の歌

そうさ いつだってこの歌は僕のためにある

つぼみよ咲き誇れ 最高のストーリー 今日も走り出そう

トリを務めるに相応しく明るく前を向く曲です。

100%ポジティブな歌詞になっています。

 

 

未完成で構わない 一歩ずつ確かめて

踏みしめたその足跡(アカシ)は 明日へ繋がっていくよ

傷跡も痛みも僕だけの魔法だから

ほんの少しの弱さも引き連れて飛び出そう

未完成、傷跡や痛みというネガティブワードも全て含めて持っていきます。

ラストに持ってくるには一番でありきたりですが好きです。

 

  1. 流れ星の夜の下

君に恋したこと間違ってたなんて思わないよ

だってこんなにも胸が張り裂けそうでさ

苦しいけれど今はこれでいいかな

なんてまた思っちゃったんだ

このアルバムの曲ではないです。前アルバムの曲ですがiTunesで見つけたので買いました。

青の歌、僕の歌のようなポジティブさですが出会いから別れを歌っていて失恋がテーマになっています。

しかし曲調ではそれを感じさせずそれを超えてカッコいいサビがあります。

カラオケに入れてほしい。

 

iTunesではヒロイン、夢見鳥が購入できます。1曲204円です。