じんるいのみなさまへ(1周目)の感想を語る。
PS4、Nintendo Swichで発売されている「じんるいのみなさまへ」をプレイしました。
さいしょに
はじめたきっかけは公式サイトのスクリーンショット。最新ゲーム機とは思えないグラフィックに心を奪われました。
物語は秋葉原観光に来た主人公が目覚めるところから始まります。
外に出るとそこは終末。
一緒に旅行に来ていた友達?とのサバイバル生活を楽しみます。
プレイヤーは街を探索し物資を集め、道具や食事を作ります。
実際の流れを見ると
- 街を探索し道具を集めて罠を作り動物を捕まえて食べる。
- 同じく街を探索しレシピを見つけて料理を作って食べる。
- 畑に種を植えて作物を育て食べる。
というように食べ物を作るゲームとも言えます。
食べ物のレシピは主人公以外の4人に各数個ずつ存在し、さらにレシピのない創作料理数種があります。
「女の子5人の生活」と「荒廃した街でのサバイバル」という男の子の大好きな2つの要素を含んでいるので面白くないわけがないんですよねぇ。
実際にプレイすると遠くの建物はぼやけるなどグラフィックに関して自分はそこまで気になりませんでしたが他のソフトで目が肥えてると気になってしまうのかも。
かんそう
シナリオやキャラに魅力がありそれだけで十分楽しめます。舞台も実際に存在する秋葉原という土地を使っているので知っている人なら「この建物ってあれだよね!」という楽しみ方が出来ます。
上画像の左には2人の女の子がいますが探索中に会話(1章につき2パターン、最終章だけ3パターン?)をしてくれます。主人公を除いた4人の中から2人を選んで置くとシリアスなシナリオパートの箸休めとして下らない会話をしてくれるのが良かったです。
悪いところとして操作性の悪さがあります
徒歩だと足が遅いので移動は走り前提になりますが左スティック+Rで走るので片手でプレイはできません。しかしマップは広いのでRはずっと押しっぱなし。疲れます。
マップが広い割にはアイテム収集位置が点在しているのでアイテム収集が面倒です。
それと恐らく章ごとにある場所でストーリーに関係ないイベントがあるみたいなのですがそのたびにマップを隅から隅まで探すのも面倒なのでいくつか見逃したイベントが有ります。
総括するとシナリオは面白いのでそれを読みたい人は楽しめます。
サバイバルゲーム目的で始めると続かないかもしれません。
やりこみ要素として前述の料理の全開放とロッカーの全開放があります。料理は完全に自己満足で特に何もありませんがロッカーでは宇宙に行った人類が残した日記が読めます。
CERO Bとセクシャルな描写ありのマークがパッケージにあるので予想できるかもしれませんが物語後半の百合要素が強いです。注意。
あとどのタイミングでセーブされるのか未だにわからない。編成画面が出る行動か?
以下ネタバレありで語ります。
ものがたりのこうさつ
真相が語られるのは7章。
舞台は宇宙からもたらされたウイルスによって地球外に人類が逃げた世界。
残されたのはウイルスに感染した人たち。
彼らは感染したウイルスが寿命を迎えるまで冷凍保存されています。
主人公たちはウイルスに感染し地球に残された人々だったのです。
そして通信機で宇宙とコンタクトをとり宇宙に避難している人類の地球への帰還が決まります。
ですが主人公たちは5人での生活をまだ楽しみたいと船で旅に出て物語は終わります。
冒頭で秋葉原が廃墟になっていたのに違和感を持たずに観光を初めたことについては冷凍保存期間が500年ということをスリープ前に知っていたので無意識に人のいない500年後の秋葉原はこうなるのも当然と考えてしまっていたことが原因と物語中で明かされます。
深く考えなかったのは逃避したい現実だったから。過去のことを思い出そうとすると眠気が来ることに関しても実際にそのようなケースが確認されているようです。過去を思い出させないようにかつての人類が操作したとも考えましたが物語後半でちゃんとコンタクトを取ってくれたことからそうではないと判断できます。
秋葉原観光と思い込んだのも逃避であると言えます。旅行とは現実と乖離していることを楽しむものなので。
コールドスリープを強制的に解くのは良くないという本能的な判断もコールドスリープ前の記憶かもしれません。
主人公たちの関係についてコールドスリープ前、少なくとも直前程度には面識があったと考えられます。ロッカーの日記からそれぞれの過去には他に仲のいい友達がいることがわかる記述があり、年齢はともかく出身地が違うことから秋葉原でコールドスリープが決まってから知り合ったと考えました。主人公のコールドスリープ解除直後、まだ眠っているはずの残り2人の名前が出てこないので気になりますが勇魚が目覚める前に朱香の名前を呼んでいるのでゲーム展開の都合上で伏せたのでしょう。
主人公たち、コールドスリープされた人々を地球人類、主人公たちをコールドスリープさせ地球外へ避難した人々を宇宙人類とするとこの二者には対比があります。
ウイルスから逃げた宇宙人類、そのウイルスに打ち勝った地球人類。宇宙への避難は計画的だったので生活も安定しているでしょう。地球では秋葉原のホテル等ある程度インフラはありますが自給自足なしでは生きていけません。
また地球人類はコールドスリープにより停滞していましたが宇宙人類はその間も進歩し続けていたでしょう。コールドスリープや宇宙に移住できる程の技術力は明らかに実際の世界より進歩していますがそれでも500年間科学が停滞するとは考えられません。原始的な地球人類と未来的な宇宙人類という関係があります。
そして立場は逆転し、宇宙人類は昔住んでいた地球に帰還、地球人類の一つである主人公たちはみんなと過ごした秋葉原から行き先のないどこかへ旅に出ます。どちらも目的地は地球ですが秋葉原の現実には存在しない海へと向かう主人公たちの旅は行き先がどんな場所なのか知らない、未開の地への旅となります。
旅に出る地球人類が宇宙人類に残したメッセージ「じんるいのみなさまへ」。そこにはホテル代やその他秋葉原の資材を使ってしまったお礼として財布置いてあります。
財布というのは主人公たちの唯一の所持品でした。他にも携帯電話(充電がなく、充電器をつないでも使えなかった)をコールドスリープ前から持ってきていたようですが恐らくこれも置いていったでしょう。使えないので。
それらを置いていくというのはかつての人類との決別を意味しています。
わざわざ「じんるい」と書いたのは自然と時間の流れに沿って500年経った世界を正統なもの、逆に自分たちをコールドスリープで500年前からタイムスリップしてきたイレギュラーな存在だと考えたと思われます。なのでかつての人類とそこからつながっている宇宙人類とは決別しなければなりません。
決別といっても「ちょっと旅行に出ます」とあるので そこまで気負ったものではないようです。恐らくこれを書いたであろう京椛の性格的にもそう言えます。前は旅行を逃避と取りましたがこれは行き先もなく、いつ帰るのかも、そもそも帰るのかどうかも決まっていないので旅行とは言えません。5人はじんるいとは違う道へ進みます。
コールドスリープ前に財布と携帯電話を持たせた意図はわかりませんし宇宙人類がそれをまだ知っているのかもわかりません。ちゃんと伝わったのでしょうか。
とうじょうじんぶつ
総じて珍しい名前。
榛東 京椛(しんとう きょうか) 17歳
少弐 勇魚(しょうに いさな) 17歳
菓子 永里那(かし えりな) 13歳
小松 和海(こまつ かずみ) 16歳
前述の通り出身、年齢は全員同じではありません。
体力、知識などパラメータが存在するが何に影響するかは不明。
以下出てくる5人のうち好きな2人だけ紹介します。
榛東 京椛
プレイヤーが操作するキャラクター。アホの子。ムードメーカー。
アニメ好きだという設定が最初の方にだけある。そのために秋葉原に旅行に来たと思い込んでいる。
初見の見た目だと一番好き。
おばあちゃん子だけどおばあちゃんは既に亡くなっていることが明かされる。
物語終盤は周りが百合だらけなので1人でぼっちになってしまうのが可愛そう。
うおうお
先に目覚めた京椛、永里那、勇魚の会話。物語に出てくる人なら残り2人が正しい。
DLCの追加キャラとなにか関係があるらしい。ぼっち脱却だ。
有能。5人のうちでは幼い方なのにやたらと科学的な知識がある。フランス人のクォーター設定は死んでいる。
学業については芳しくないらしい。
えりゆゆはいいぞ。
動物を獲るための罠の作成、ホテルのボイラー室や水道の修理、果てには金属の溶接までしてしまう。
やたらとサバイバルに詳しい同人誌が置いてあるショップがあるのを差し置いても15歳らしからぬ知識で5人を生存に導く。文句なしのMVP。有能すぎて正直ラスボスだと思ってた。
その特徴的な口調からゲーム中のアイテム説明等のテキストも幽々子のメモであると考えられる。
たまにバグみたいな目つきになる。
パロディも豊富。
さいごに
まだ1周目が終わっただけなので2周目に回収されるであろう伏線が楽しみです。
財布と携帯電話を残した理由だったり物語冒頭の違和感だったり京椛の指紋が認証されにくかったのは京椛が両利きだったからという理由だけなのかとかとか。
ロッカーも6までしか開けてないけど1は幽々子で2が永里那なのかな。
おわり