語る

備忘録

「空になるよ、このハピネス。」 春宮空子のときめく魔法

歌詞

 

空になるよ、このハピネス。

春宮空子(cv.森千早都)

作詞:葉巡 明治/作曲 編曲:Tsukasa

 

優しさだけは褒められて

ときめく魔法すらも

かけかた知らずに生きてた。

ナミダの色した予定は、窓の向こう、

四角の空にすいこまれ 消えていった。

 

遠く小石をけり

七色を見すえて「空になりたい」

 

風光り 背中を押したら

キミに会えた昂ぶりから

鳴りだしはじめる 世界は

いつも見ていてくれてる

無理な笑みも、不器用さも、

晴れの陽でつつむ メロディメロディ

 

優しい人は損をする、

教えられて鏡の前にたつ姿「・・・他人だった」

 

今日も指でなぞる

流星のしっぽに「もっと飛びたい!」

 

あかね雲、祈り運んでく

キミと会えた無二の時に

高鳴り続ける 世界が

誰もみあげぬとしても

誰かがなく、そんな時は、

雨脚で洗う メロディメロディ

 

一つ誇れたこと

生きた証がある「足跡がある!」

 

 

例え空になれぬとしても

手作りでも、憧れでも、

この流星なら消えない

笑顔風にのせていく

無理な笑みも、不器用さも、

束にまとめて、わたし

 

いのち雲にかえていく

間違えても、逃げたくても、

何もなくたって、願える

光変わらず輝く

もしもいつか、手渡しても

消えることのない メモリーモリー

 

感想

 

この曲を初めて聞いてからもう3年経つらしい。3周忌だったからそんなもんか。

アイドルコネクトにおいて特に推しとかないんだけど強いて個人をあげるなら春宮空子と言いたい。

アイドルゲームの主人公格のキャラでここまでキャラが立ってるの珍しいと思うんだよね。

メモリアについて語った記事で言ったとおり良い人すぎて変人なんだけど...

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サイコ春宮

春宮空子については前に語ったので割愛。唯が人気になってしまって戸惑っていた千乃に対してなにをしていいかわからない意外と人間らしい天使空子の一面があった的なことを言った気がする。

この曲を軽く紹介するとアイドルコネクトソロ曲集1周目「Feeling of girl」のトップバッター。ゲーム内での扱いは覚えていない。ソロ曲って曜日限定だったっけ?

春宮空子らしさが十分に含まれていて春宮空子がどんなキャラなのかが簡単にわかる。

個人的には「ナチュラル*シャイニー」、「坂道の途中」と同じくらいお気に入り。

同アルバムでは「さよならラビット」や「ときめき Dream-rium」が好きなんだけど今の自分じゃ歌詞がよくわからないところがあるんだよね。

前者はお伽噺すぎるし後者はミユらしくごちゃごちゃしてる。疲れそうだけど82(Honey)や81(Honey)とか考えるのは面白そうではある。

 対してこの曲は歌詞がわかりやすい分印象に残りやすくて万人受けすると思う。

考察

1番では過去が語られ、まず登場するのは「優しさだけは褒められ」て「ときめく魔法」の「かけかたを知ら」なかった女の子。長所といえば優しさだけで周りの子のよりもこれならうまくできる!というものがなかったようです。「ときめく魔法」とは自分にかけるものなのでしょうか。それとも誰かにかけるものでしょうか。優しい女の子みたいなので誰かにかけたいのかもしれませんがここは過去の話なので特に掘り下げる必要はないでしょう。

「ナミダの色した予定」とは思い描いたけれど実現できそうにない夢。それは「窓の向こう」の「四角の空」に消えてしまいました。「四角の空」というワードに違和感を覚え調べてみると意外とこのフレーズを使っている曲は多いようで窓枠から見る空という解釈がされていました。部屋の天井の隅を見上げて夢を諦めたと解釈したかったのですがそれでは「窓の向こう」が矛盾してしまうので間違いなのかも。それとも部屋の中すらも「窓の向こう」と勘違いしてしまうような世界にこの女の子はいたのかもしれません。

 

Bメロでは「空になりたい」という宣言をします。「七色をみすえて」いるのはこれから会う仲間のことでしょうか。作中で会う仲間は7人ではないので色々な経験が待っている漠然とした未来のことだと考えます。

 

サビでは「背中を押した」ことによって「世界は」「鳴りだしはじめ」ます。ここで何も取り柄のないと思っていた女の子は新しい視野を手に入れました。春宮空子にとってだとすると何が背中を押したのかは言わずもがなです。

そして「無理な笑み」や「不器用さ」を「晴れの陽でつつむ」。ここでBメロでなりたかった空というものの片鱗がなんとなく見えてきます。周りをサポートできる空のように大きな心だったり太陽のような明るさだったり彼女に当てはまりそうな感じはします。「光り」、「笑み」、「晴れの陽」と明るいイメージのあったサビはここで終わり一区切りが付きます。

 

2番Aメロは意外な展開です。「優しい人は損をする」というのはなんとなくわかります。しかし春宮空子にとってそれを損ではあません。しかしそう言われて「鏡の前に立つ」とそこに写ったのは「他人」でした。衝撃の展開ですがあまりにも他人に対して良いことをしすぎて自分のことをないがしろにしてしまったようです。これに関してはイメージもできますし作中にもそんな話があったような気がします。

 

「流星」というのは願いを叶えてくれます。そうでなくとも流れ星にお願いをする風習があります。その「しっぽ」、頭に対して反対側の端、もしくは流れ星が通って残りカスがあるかもしれないところに向かって祈ります。後者なら後に出てくる「足跡」ともかかります。優しい女の子はそんな流星のはしっこでガマンしました。「もっと飛びたい!」。これは2Aで語った他人になってしまった自分のための願いかもしれません。なので自分のためと他人のため半分ずつの願いです。純粋に自分のための願いではないでしょう。

 

「あかね雲」とは夕焼けによってできるものでなんとなくしんみりとするイメージがあります。夜が近いのかもしれません。彼女から見える「世界」は「高鳴り続け」ているので彼女の心は1サビと変わらないようです。そして仮定ではありますが「誰もみあげぬ」ことがあるかもしれない。そんな「誰かが泣く」ようなときでも空になれたら女の子はその悲しみを雨のように洗い流したいと宣言します。

1サビと変わって「あかね雲」、「泣く」、「雨脚」とマイナスなイメージのある言葉が多い2番のサビでした。

 

優しさだけしか持たなかった女の子は「一つ誇れたこと」をここで見つけることができました。それは「生きた証」またの名を「足跡」でした。これがもしかしたら彼女のほしかった「ときめく魔法」なのかもしれません。とりあえず彼女のしたいことは見つかったようです。

 

 

ここだけ2行空くので時は進みます。ここで語られるのはこれからの彼女。「たとえ空になれぬとしても」とあるのでまだ空には成れていないようです。そしてこれからも成れるかわかりません。しかし「流星」というのは消えるものですが「この流星」は「消えない」。これは以前「流星のしっぽ」に祈って飛んだ先にあった、あるいはその途中で見つけた「生きた証」や「足跡」のことでしょう。

「手作り」や「憧れ」、これは今までの拙い足跡とこれからできるかもわからない未来の足跡のことを表しています。そんな足跡でも消えることはありません。

「無理な笑み」、「不器用さ」、これが彼女のコンプレックスでそんな短所も「わたし」だと認めます。ここがこの曲の一番の盛り上がりだと思っているので一番伝えたいのは恐らくここです。

春宮空子というのは一見なんでも上手に解決してしまうおおらかさがあるように見えますが問題を解決する答えに困ったりしますし、一つを立てるともう一つが立たなくなったりすることに弱いです。この不器用さに関しては該当するエピソードはあります。作り笑いはあまりイメージがありませんがひょっとしたら気を使って笑顔でいることが多いのかもしれません。

短所なので直したいと思っていたようですがそれは自分のためではなく他人のため。春宮空子はみんなに優しさを振り撒くことで自分の存在価値を見出したかった。しかしそんなことする必要はないと気づきます。それを教えてくれたのは1サビで「鳴りはじめ」、2サビで「高鳴り続け」たものです。

 

名残惜しくも最後のサビに入ります。「間違えて」、「逃げたくて」、「何もなくたって」、とにかくどんな悪い状況にあっても足跡は消えないのでその足跡=流星に向かって願う、今までの経験を生かしてこれからも歩くことはできます。

さっきのサビでは未来のことを話していましたがここは更に未来の話のようです。「もしもいつか」と仮定が入り「手渡しても」記憶は「消えること」はない。記憶を手渡すというのは次の世代に受け継ぐこと。実物をあまり知りませんが知らない人間の考えとしてはアイドルというのはほとんどが若いうちに引退するものです。

そんないつか来る未来でも記憶=足跡=流星は自分の中から消えることはありません。これからも歩き続けることはできます。このときの彼女はもう「ときめく魔法」のかけかたを知っているでしょう。こうして一人の女の子を歌った曲は終わります。

 

 追記

マイルストーン、わからなかったので調べてみたら道しるべ?みたいなのらしい。

「流星のしっぽ」、「この流星なら消えない」と流星は2回出てきたんですけど両方にこれまでの記憶、足跡の意味があるとしても良いのかもしれないですね。これまでの経験を踏まえてもっとアイドルとして輝きたい!。みたいな

でも「この流星」って言ってるから1回目の流星とは違うのかなあ。

 

または流星を自分(空子)、しっぽが経験として2回目の流星を自分と自分に含まれている経験とするとか?

結局ちらかして終わっちゃったけどちゃんとした考察が書けるようになったときにリメイクしたいので広げたまま終わらせることを許してください。

 

 

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